NMO早期発見の3つのポイント/近畿大学医学部附属病院 宮本 勝一 先生 - すべて | 臨床検査薬(体外診断用医薬品・研究用試薬)の株式会社コスミック コーポレーション
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神経疾患視神経脊髄炎
NMO早期発見の3つのポイント/近畿大学医学部附属病院 宮本 勝一 先生
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近畿大学医学部附属病院
宮本 勝一 (みやもと かついち) 先生
1992年 近畿大学医学部 卒業
同年 大阪赤十字病院 内科研修医
1994年 同 神経内科 レジデント
1996年 京都大学医学部 大学院
2000年 国立精神・神経センター 神経研究所
2002年 Harvard Medical School,
Brigham and Women's Hospital
2004年 近畿大学医学部 神経内科 学内講師
2007年 同 講師
2014年 同 准教授
宮本 勝一 (みやもと かついち) 先生
1992年 近畿大学医学部 卒業
同年 大阪赤十字病院 内科研修医
1994年 同 神経内科 レジデント
1996年 京都大学医学部 大学院
2000年 国立精神・神経センター 神経研究所
2002年 Harvard Medical School,
Brigham and Women's Hospital
2004年 近畿大学医学部 神経内科 学内講師
2007年 同 講師
2014年 同 准教授
多発性硬化症(Multiple sclerosis:MS)の一部と考えられていた視神経脊髄炎(Neuromyelitis optica :NMO)は、2005年に「抗アクアポリン(AQP)4抗体」との関連が発見されたことで、MSとは別の病態であることが明らかになりました。しかしなお、診断が遅れ、適切な治療を受けられていない患者も少なくありません。
そこで、神経免疫疾患を専門とし、数多くのNMO患者の診療に携わってきた近畿大学の宮本勝一准教授に、実臨床の経験に基づく日常診療のポイントについて、お話を伺いました。
そこで、神経免疫疾患を専門とし、数多くのNMO患者の診療に携わってきた近畿大学の宮本勝一准教授に、実臨床の経験に基づく日常診療のポイントについて、お話を伺いました。
抗AQP4抗体検査の登場でプライマリケア医へも浸透しつつあるNMO
視神経脊髄炎という名の通り、宮本先生のもとには眼科や整形外科の先生から紹介されてくるNMO患者が多いようです。「長い方だと初発から5年、6年経ってから当院にかかる方もいらっしゃいます」と宮本先生。
NMOは脊髄腫瘍や頸椎症、膠原病のシェーグレン症候群や全身性エリテマトーデス(SLE)などさまざまな疾患と似た症状が現れるため、眼科や整形外科などプライマリケア医の間では、診断が困難でした。しかし、抗AQP4抗体測定の保険適用もあり、NMOの情報はプライマリケア医にも徐々に浸透しつつあります。宮本先生は「初めに診た先生がNMOを知っていれば、その分早く専門医の治療を受けられます。まずはNMOという病気のことを多くの先生に知っていただき、早期に治療を開始することが重要だと考えます」と語ります。
キーワードは「両側性」と「重症性」、そして「急性発症」
では、どのような症状を訴える患者にNMOの可能性を考慮したらよいのでしょうか。視力障害の場合、キーワードは「両側性」と「重症性」だと宮本先生は語ります。
「NMOは視交叉付近に病変が現れることが多いため、その場合は両側同時に視力障害が起こります。一方、MSでは通常は片側だけの視力障害です。また、NMOは一回のアタックで失明するほどの重い症状が現れることも稀ではありません。この『両側性』と『重症性』のどちらかでも認めたときに、NMOが頭に浮かぶかどうかが、早期発見のポイントです。また、NMOのおよそ4分の3は急性発症です。『階段が登れなくなった』『文字が書けなくなった』『新聞が読めなくなった』など、当たり前にできたはずの日常行動が急にできなくなったと患者さんが訴えるときは、脳卒中だけではなくNMOの可能性も考慮していただきたいです」(宮本先生)
宮本先生は、「疑わしいときは、速やかに専門医に紹介して下さい。もし可能であれば、最低限の全身のチェックと、血液検査にて、シェーグレン症候群やSLEなど膠原病の自己抗体、さらに可能であれば抗AQP4抗体の検査を出すと同時に、紹介していただけたら受け入れる専門医として助かります」と、プライマリケア医と専門医が連携して、診療に取り組むことの重要性を語りました。
「NMOは視交叉付近に病変が現れることが多いため、その場合は両側同時に視力障害が起こります。一方、MSでは通常は片側だけの視力障害です。また、NMOは一回のアタックで失明するほどの重い症状が現れることも稀ではありません。この『両側性』と『重症性』のどちらかでも認めたときに、NMOが頭に浮かぶかどうかが、早期発見のポイントです。また、NMOのおよそ4分の3は急性発症です。『階段が登れなくなった』『文字が書けなくなった』『新聞が読めなくなった』など、当たり前にできたはずの日常行動が急にできなくなったと患者さんが訴えるときは、脳卒中だけではなくNMOの可能性も考慮していただきたいです」(宮本先生)
宮本先生は、「疑わしいときは、速やかに専門医に紹介して下さい。もし可能であれば、最低限の全身のチェックと、血液検査にて、シェーグレン症候群やSLEなど膠原病の自己抗体、さらに可能であれば抗AQP4抗体の検査を出すと同時に、紹介していただけたら受け入れる専門医として助かります」と、プライマリケア医と専門医が連携して、診療に取り組むことの重要性を語りました。
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